山田はおそらく日本のフルタイムワーカーの中でネットフリックス再生時間TOP10に入っている自信があります。
そんな山田がここ最近で最も衝撃的だったドラマ、それが透明なゆりかご。トレーラーはコチラ。
青田アオイ(清原果耶)は高校の准看護科に通う17歳。アルバイト先に選んだのは由比朋寛(瀬戸康史)が院長を務める由比産婦人科。仕事熱心な一方で要領が悪くコミュニケーションが苦手なアオイは過酷な産婦人科の仕事に戸惑うばかり。
そんなアオイがいる由比産婦人科には様々な妊婦がやってくる。新婚で幸せいっぱいな妊婦、不倫相手の子供を妊娠している妊婦、14歳の妊婦etc……。
何の変哲もない由比産婦人科、しかしその中ではあまりに壮絶すぎるドラマが日常として繰り広げられていた……。
というような内容。淡々とした雰囲気の中、ドラマの中で描かれるのは壮絶な産婦人科での事件、出来事。例えば、劇中で何度となく出てくる中絶、ということ。
中絶、という言葉は何となく見聞きしていますが、実は産婦人科では日常業務の一つの様子。事実、アオイが一番最初に関わった業務も中絶でした。
中絶とは小さな命を絶つということ。その重さは計り知れません。しかし透明なゆりかごで描かれる出来事の重さは容赦なく増大していくのです。
アオイの友達である亜美ちゃんが性的虐待の被害者として由比産婦人科にやってくるのです……。悲嘆にくれる母親と外部からの刺激に一切反応を示さなくなった亜美ちゃん、そしてあまりに衝撃的な事件の真相……。もう痛々しすぎて見ていられない回でした。
……かなり重いでしょ? まだまだなのです。最終回はもう、激重です。
出生前の検査で心臓に重大な問題があり、生まれたとしても数日しか生きられないと分かっていながらも赤ちゃんを産むことを決めた母親。親子のわずかな時間をいつくしむ夫婦……。
……もう、山田にコメントできる言葉なんてありません。
このドラマを見て山田が思い知らされたのは日常がいかに貴重ということ。
劇中で由比先生も言っているのですが、お産は無事に終えられて当たり前と思われているが実はものすごくリスクがある、とのこと。よくよく考えればそうですよね……。
それでも元気な赤ちゃんや子供を見るだけではその背後にあったリスクを感じることはありません。そういったことの積み重ねが『お産は無事に終えられて当たり前』という思い込みに至るのでしょう。
このドラマは普段は見えない所にあるリスクに立ち向かう人達を描いているのです。
介護だって同じじゃないでしょうか。例えばご家族だけでめいいっぱい介護をされていても、普段通りのご本人の姿を見れば周囲の人にはご家族の負担は見えません。それでもご家族の日常は失われているのです。
そんな時、介護保険がお役に立てるかもしれません。
僕達の働きによって御本人やご家族の日常が支えられればいいなと思います。
それにしてもこのドラマ、どの役者さんも素晴らしい演技なのですが主演の清原果耶さんはとても印象的。
この言いようのない透明感は清原さんの持ち味なのでしょう。今後の活躍に期待大です。
ケアマネ的視点
・当たり前って、実は当たり前じゃない。
・当たり前を支えている人がいる。
・見えない働きこそ尊いもの。