※予告編はコチラ
ここ最近、山田は妙に時間があったので色んな映画を借りまくって見まくっていました。
その中で印象に残ったのがこの作品。
リオデジャネイロのスラム街で生まれ育ったブスカ・ペ。その兄はギャングであったが小間使いの少年、リトル・ゼに殺される。
リトル・ゼは暴力と謀略を駆使し、わずか数年でスラムの半分を牛耳るギャングのボスとなった。
スラムの制覇を目論むリトル・ゼは、武器と仲間を集め対立するギャングの壊滅に乗り出す。
二つのギャングが銃撃戦を繰り広げ、地獄と化したスラム街。
たまたまリトル・ゼと顔見知りであったブスカ・ペは、彼らのアジトに入り込み写真を撮ることに成功する。
その写真を高く評価されたブスカ・ペ。
報道カメラマンを志していたブスカ・ペは、抗争の真っただ中のリトル・ゼを追う。
やがてブスカ・ペが目撃することとなる抗争の結末とリトル・ゼの運命とは……。
といった内容。
劇中で起きている出来事はまさに地獄そのものなのですが(子供が子供を処刑するというかなりショッキングなシーンもあったりします)、音楽とテンポ、カット割りのおかげでどこか陽気さを感じさせる不思議な映画。
山田がこの映画が印象に残ったのは、貧困と治安の関係を考えさせられたから。
マズローに言われるまでもなく、人間は生理的欲求と安全を求めます。
これらが脅かされると、どうなるでしょうか。何とかして獲得しようとするでしょう。
ここに貧困と治安がリンクするポイントがあります。
低所得層・社会的弱者に就学・就労の機会が解放されている社会、または所得の再分配(≒高所得層から税金をもらって低所得層に分配すること)がされている社会であれば合法的な方法で貧困からの脱出を図ることが推奨されるでしょう。
しかしそうでない社会であればどうでしょうか。
合法的に貧困から脱出できないとすれば、非合法に脱却せざるを得ません。
お金がなければ奪う、と解決策しかないのです。
そのような親に育てられた子供はどうなるでしょうか。親と同じく、奪うことで充足する術を身に着けてしまうでしょう。
そのような社会の治安は悪化していきます。
つまり貧困を解消することは治安の維持・向上につながると考えられます。
最近ニュースを騒がしている移民にも同じようなことが言えるのではないでしょうか。
合法的に安全な住環境を得られないから非合法に脱出、第三国に入国するしかないのです。
国内的に見ても、国際的にみても低所得者層対策はコストとしか見られていないかもしれませんが、現在の治安水準を維持するための投資でもある、と言えるでしょう。
この映画は、そんなことを考えさせてくれました。
いや、こんなこと考えなくても、十分見ごたえのある映画なんです。
銃声が聞こえない社会っていいなぁ、と実感できますw
ケアマネ的視点
・最低限の衣食住は最重要事項。
・不必要なコストにも顕在化していない効果があるかも?
・簡単に引き金を引いてはいけない。