※審理編①はコチラ
この二日間は証人、被告への尋問でした。
証人として出てこられたのは1日目の証人であった被害者の家族の方で、みんな事件の現場にいた人達でした。
1日目の被害者の方同様に検察官、弁護士、裁判官と裁判員が質問をしていくのですが……それぞれの証人の証言が微妙に食い違うのです。
立っていた場所、見ていた光景、物の位置……そして過去の自身の証言と今の記憶。
事件から今回の裁判まで一年近く経っているので記憶が薄まっていたり思い違いがあるのは仕方ないことなのでしょう。
それでも、ここまでそれぞれの記憶が一致しないものか、というのが正直な印象です。
この事件の一番の核であるはずの、被害者の方が被告により危害を加えられてしまった場面ですら、微妙に違います。
もしかしたら誰かが嘘をついているのかもしれない、そう思うとどの証言を信じればいいのか本当にわからなくなってきます。
それらの証言を証拠の一部として判決を決めていかねばならない……山田が裁判員になって初めて感じた不安でした。。